BTOPCメーカー大手のサードウェーブ社がドスパラ公式サイトなどで販売しているクリエイター向けPCブランド「raytrek」シリーズの中から、今回は新筐体を採用した「raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載」モデルの貸出機をお借りして実機レビューを行いました。PCの外観/内観写真を始め、スペックやベンチマークテストそしてカスタマイズにも触れています。クリエイター向けPCをお探しの方は必見です。
ー販売終了済みー
後継製品は↓こちら↓
2023/04/27 作成
2023/11/29 更新 後継製品を掲載
サードウェーブ社がドスパラなどで販売しているクリエイティブPCは2024年2月まで個人向け法人向けともに「raytrek(レイトレック)」という名称で長年親しまれてきましたが、2024年3月より個人クリエイター向けは「GALLERIA」、法人向けのPC(クリエイティブ用途だけでなくビジネス全般)は「raytrek」にリブランドされました。
PC貸出元:株式会社サードウェーブ 当記事はアフィリエイトリンクを含みます
目次
- 目次
- raytrekについて
- クリエイターPCブランド「raytrek」が新筐体デスクトップPCを発売
- raytrekデスクトップPCのラインナップ
- raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載について
- raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載の外観
- raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載のPC内部
- raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載のベンチマーク
- raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載を使用して動画編集
- raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載のカスタマイズ
- raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載ならPCゲームやゲーム配信も快適
- raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載モデル総合評価
- クリエイター向けソフトの推奨スペック解説記事
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raytrekについて
raytrekはPC専門店「ドスパラ」を全国に展開する株式会社サードウェーブのクリエイター向けPCブランドです。私も2022年夏にraytrekブランドの製品を購入しおり、ほかにもゲーミングPCはドスパラでこれまでに5台購入しています。
クリエイターPCブランド「raytrek」が新筐体デスクトップPCを発売
今回のレビュー機種「raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載」にも採用されている新ケースは2022年12月に発表されました。私も新ケース発表会へは数万円かけて自費で出席してきましたが、全面的に一新された新ケースはクオリティが高く、デザイン・機能・性能が全てパワーアップしていましたよ!
raytrekデスクトップPCのラインナップ
※上記画像は2023/04/27時点で取得しています。スペックや金額等は変更される可能性がございます。以降で記載するスペックや金額は記事作成時の情報ですので、ご検討の際は改めて公式サイトをご確認下さい。
クリエイター向けPCブランド「raytrek」のデスクトップPCは2023/04/27時点ですと8機種がラインナップされています。新筐体を採用した4Cシリーズの中でも、当記事でレビューを行っている「raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載」(上の画像の赤枠機種)はお求めやすい価格であるためランキング2位と人気が高いです。
raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載について
上記販売終了済み
後継製品は↓こちら
パワフルな最新i7CPUとアッパーミドルレンジグラボRTX3060Tiを搭載した構成です。より下位のモデルはSSDの容量が半分の500GBであるのに対して、当機種は1TB(1000GB)ですのでストレージ容量に余力があり利便性に優れます。
raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載の外観
一新されたPC筐体は要チェックです。
【PC正面】
4Cシリーズの筐体は重厚感がありながらもクリエイティブな空間に馴染むデザインとなっています。4Cシリーズではないraytrekの筐体は黒一色なのに対して、4Cシリーズの筐体は金属の質感を生かしたシルバーをベースにブラックを配したツートンカラーになっています。
4Cシリーズ製品発表会資料より
前面上部にあるインターフェースはユーザビリティを重視した設計になっています。
PCの電源は一般的にボタン式のため押すことで電源をON/OFFしますが、新筐体ではスライド式になっておりUSBポートとの距離も離れていますので、誤操作が起こりづらくなっています。私は机の下にPCを設置していますが、4Cシリーズのように前面インターフェースが斜め45度になっていないためUSBが抜き差ししづらいです。机の下は薄暗いため電源ボタンのすぐ横にあるUSBポートに手探りで差そうとして誤ってUSBで電源ボタンを押してPCの電源が落ちてしまい、冷や汗をかいたことがあります。周りにそのような経験があるか尋ねてみたところ、一度もないという方もいましたし、わかるわかるとうなづく方もいました。
【PC背面】
PC背面は元々各種インターフェースが集まる場所なので4Cではない筐体と比べてもデザイン面で大きな変更点は無いように感じます。
背面の各種入力端子を確認してみるとUSBポートにはUSB 2.0 ×2 、USB 3.2 GEN1 ×3 、USB 3.2 GEN2 Type-A ×2 、USB 3.2 GEN2 Type-C ×1と豊富です。USB端子が豊富なのはデスクトップPCのメリットのひとつですね。
グラフィックボードの映像出力端子は(HDMI x1,DisplayPort x3)となっています。
上の写真の「使用不可シール」ですが、マザーボード直結の映像出力端子がシールで隠されています。高性能なクリエイター向けデスクトップPCはグラフィックボード(グラボ)を搭載しているので、映像出力ケーブルはグラボに繋ぎます。間違って使用不可シールのほうで隠している箇所に差してしまうとグラボより性能の低いCPU内蔵のチップで映像が処理されるため画質やコマ数が大きく低下します。PC初心者の方が間違いやすいミスを防いでくれているのはすごくありがたいですね。私も過去に間違ったことがあります…。
【側面】
サイドの片面は取り外し可能なフィルターがありました。側面にもフィルターがあるケースはかなり珍しい気がします。
【上部及び底部】
筐体上部は大きく変更されており、一部ハニカム構造でした。空気の流れとしては排気部分になるので、多少の小物であれば上に置く事も出来ますが大半をふさいでしまうような置き方は設計されたエアフローが乱れることになるので避けたほうが良い気がします。
【イージーメンテナンス】
4Cシリーズ製品発表会資料より
4Cシリーズの筐体はフィルターが合計で4か所もあり、全て簡単に取り外して掃除ができちゃいます!よくわからないから購入以降、PCの蓋を開けたことがないという方でも気軽に掃除ができるのでメンテナンスが楽ですね。
各角度から外観をチェックすると吸排気口が豊富にあり、PC内部に熱がこもりにくくなるよう設計されていることが分かりますね。公式サイトにもエアフローをアピールする記述がありました。
※ドスパラ公式サイトより画像引用
raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載のPC内部
【サイドパネルを外した状態】
背面のねじを外してサイドパネルを横にずらすとPCの内部が確認できます。
3.5インチベイが前面から上記写真の反対側面の下部に移動したことで、スッキリしていました。
【従来の筐体例】
以前まで主流だったミドルタワー型の筐体例が上の画像です。最新の筐体と比べると比較すると分かりやすいですね。5スロットもあった5インチベイは元々需要が少なく有効活用するにはややマニアックな使い方が必要でした。
しかも購入から数年後に最新のグラボへ入れ替えるときに3.5インチベイがグラボの横にあるせいで、冷却性能に優れた横広の3連FANグラボが入らないなんてこともあります。購入後の視点から見ても内部レイアウトの変更はありがたいです。
新筐体で移動した3.5インチベイやSATA SSDを搭載する2.5インチベイは反対のサイドパネルを空けると利用できます。
【グラボとCPUクーラー】
CPUは標準ですと、空冷式の静音を重視したクーラーが搭載されています。カスタマイズで冷却性能を重視するクーラーや水冷式に変更する事も可能です。
今回のレビュー機に搭載されているグラボは外排気式のシロッコファンでした※
一般的な内排気式と比べてPC内部に熱がこもりにくいのでCPUが冷却しやすくなるためクリエイティブ用途には向いていると考えられます。デメリットは静音性が悪くなる場合があります。今回のレビューでは後述しているベンチマーク中に最大騒音量を測定していますが特段過去のレビュー機種と比べてうるさい数値ではありませんでした。
※同じraytrek 4CXVi 第13世代Core搭載モデルでもグラボは購入タイミング等により同じRTX3060Tiの別製品になる可能性あり
raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載のベンチマーク
次はベンチマークの結果を報告します。比較対象として2022年秋に約30万円で販売されていたクリエイティブノートPCのスコアを掲載します。
【比較PCスペック】
Intel i9-12900H,RTX3070Ti,メモリ32GB(クリエイティブノート)
【CPUベンチマーク:CINEBENCH】
クリエイティブ用途で非常に重要なCPUのマルチスレッド性能を測定しました。約20万円の価格である「raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載」にて測定するとスコアは「7302」となった一方で、2022年秋に30万円したノートPCは「6450」と価格が高いのにスコアが下回る結果となりました。
【3DMark TimeSpy】
3DMark TimeSpyはグラフィック性能を測定するための有名なベンチマークです。結果は11287だったのに対して、2022年秋に30万円の価格だったノートPCのスコアは「10803」と今回のベンチマークでも勝利しました。デスクトップPCの方がスペースに余裕があるぶん冷却パーツが大きいので効果的に冷却する事ができるため性能が出やすいのと、消費電力もノートPCより大きくなるため30万円のノートPCがi9CPU+RTX3070Tiと今回のレビュー機よりも上位グレードを搭載しているにもかかわらず「raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載」デスクトップPCのほうがスコアが高くなります。
外に持ち運ばずクリエイティブ性能を重視するPCをお探しの方はデスクトップPCのほうが安価に高性能なPCを購入できる事を知っておきたいですね。
【SSDベンチマーク】
このベンチマークではストレージの読み書き速度を測定しています。数値が大きいほど高速です。
raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載ではストレージに通常のSSDより更に高価で高速なNVMeSSDを採用しています。クリエイティブ用途においてNVMeSSDの恩恵はOSやアプリケーション起動時の起動時間短縮であったり、大量の画像や音源そして一番容量が重たい動画をスムーズに移動させることができます。
SSDはHDDと比べるとかなり読み書きが高速となっているので比較してみましょう。
【一般的なSSD】
【一般的なHDD】
一般的なSATA接続のSSDと比べても、raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載に搭載されているNVMeSSDはスコアがかなり高いことが分かりますね。SSDでのPC動作を体験したらHDDしか搭載していないパソコンは遅すぎてイライラしてしまうほど快適ですよ。
元々SSDのみが搭載されているクリエイティブデスクトップPCにカスタマイズでHDDを追加するハイブリット構成も人気ですね。
raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載を使用して動画編集
AdobeのPremiere ProとAfter Effectsなどをインストールし動画クリエイターに実際に編集作業を行ってもらった所、AdobeのPremiere Proは非常に快適でした。一方で「raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載」のメモリは16GBなため、Adobe After Effectsの推奨メモリ32GBを満たしておらずAfter Effectsは使用する素材や利用方法によっては動作が重たくなることが分かりました。
【x264 CPUエンコード】
Youtubeショート用に作成した約1分の動画を動画クリエイターが普段使用しているPC(Ryzen7 1700,GTX1660SUPER,メモリ16GB)と「raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載」にてCPUでx264エンコードが完了する時間を測定すると
- 使用PC…102秒
- raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載…55秒
使用しているPCと比べると約半分の時間でエンコードが完了しました!1分の動画なので、差は約50秒ですが、これが10分の動画ですと8分以上の差になります。「raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載」は最新CPUを搭載しているのでエンコードが超速です!
raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載のカスタマイズ
raytrekはBTO(Build To Order)なPCですので、購入前に製品ページの「構成内容を変更する」から好みのカスタマイズを行えます。
おすすめのカスタマイズですが、動画編集を行う方はメモリを16GBから32GBにするのをオススメします。特にAdobe After Effectsを使用される方はメモリ32GBを強く推奨します。また、クリエイター歴が長くなってくると、これまでに使用した素材や完成データがストレージの容量を圧迫してきますので、保管用のストレージとしてHDDを追加しておくと容量不足で困りにくくなります。
raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載ならPCゲームやゲーム配信も快適
raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載モデルにてFF14ベンチマークを実行したスコア
「raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載」はPCゲームを十二分に遊べるスペックでもあります。かなり重たいゲームである「Cyberpunk2077」ですらフルHD解像度でのプレイ時にゲーム内画質設定を最高にしても平均97FPSでました。レイトレと呼ばれるリアルな光源処理に対応したゲームでレイトレをONにすると非常に高いスペックが要求される傾向にあります。「raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載」にて「Cyberpunk2077」のレイトレをONにすると平均59FPSと比較的快適に遊ぶ事ができます。
比較的軽いゲームはものすごいFPSがでますよ、例えば人気バトロワゲームのAPEXではフルHDの最高設定ですら平均243FPS。低設定では平均290FPSと非常に高いFPSがでます。
raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載モデル総合評価
筐体が一新され高機能かつデザイン性も優れた4Cシリーズの中で、一番お求めやすい価格で性能のバランスも良い【raytrek 4CXVi 第13世代Core搭載モデル】はドスパラのクリエイティブデスクトップPCランキングでも上位にランクインしており、2023年のGW前に一度売り切れてしまうほどの人気となっているようです。
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