Adobeが提供するクリエイティブ製品群「Adobe Creative Cloud」の推奨スペックや推奨パソコンを紹介します。この記事を読めばAdobe CCが快適に利用できるスペック(CPU,グラボ、メモリ、HDD容量など)やPCが分かります。
記事公開日:2019/08/13
最終更新日:2024/06/13 更新26回目
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目次
- Adobe Creative Cloud 推奨スペック
- AdobeCCの推奨動作環境・パソコンパーツ解説
- 現在使用しているPCのスペックを調べる方法
- AdobeCC推奨パソコン
- 週間人気ゲーミングPC記事ランキング
Adobe Creative Cloud 推奨スペック
Adobe CCには製品ごとの必要システム構成が公式より公開されています。AdobeCC製品群を複数使用する場合は最も要求の高いスペックに合わせる必要があります。記載するスペックは全てWindows版です。MacOS版は参照元をご確認ください。
※2024年6月に最新のAdobeCC推奨スペックへ対応し当記事の内容も一新しています。
Photoshop・Lightroom Classic必要システム構成
情報参照元:https://helpx.adobe.com/jp/photoshop/system-requirements.html、https://helpx.adobe.com/jp/camera-raw/system-requirements.html、https://helpx.adobe.com/jp/lightroom-classic/system-requirements.html
AdobeCCソフト群の推奨スペックは同じソフトでも年々上昇していきます。
illustrator・Indesigh・Demension必要システム構成
情報参照元:https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/system-requirements.html、https://helpx.adobe.com/jp/indesign/system-requirements.html、https://helpx.adobe.com/jp/dimension/system-requirements.html
DimensionはillustratorやInDesignより推奨スペックのハードルが高くなっています。
Dreamweaver・AdobeXD必要システム構成
情報参照元:https://helpx.adobe.com/jp/dreamweaver/system-requirements.html、https://helpx.adobe.com/jp/xd/system-requirements.html
DreamweaverやAdobe XDは特段クリエイティブ用としてのスペックは要求されません。一般用途向けのPCでも十分動作可能です。
PremierePro・After Effects必要システム構成
動画編集で使用するソフトは他のAdobeCC製品と比べると推奨スペックのハードルが高くなっています。
Adobeが公式ページにて公開する【必要なシステム構成】はソフトに必要な最低限の構成であり、快適に動作するスペックではありません。
使用する方の用途や処理内容によって快適に動作するためのスペックは異なってきますが、メモリやグラボなどは一部推奨スペックも公開されているので、推奨スペックやPCメーカーが販売するAdobeCC用パソコンのスペックを参考にされたほうがよいでしょう。AdobeCC用のパソコンについては最後に紹介します。
AdobeCC個別製品の詳しい推奨スペック解説記事
AdobeCCの推奨動作環境・パソコンパーツ解説
次はPCの主要パーツについて詳しく解説していきます。
OS
AdobeCCの推奨OS:Windows10/11 64bit
最新のWindowsは2021年10月05日に登場したWindows11です。Windows11の発売当初はクリエイティブ用PCとしてWindows11を選ぶのは時期尚早でしたが、AdobeCCはWindows11をサポートしておりごく一部の軽微な不具合をのぞき現在は問題なく使用できます。
ストレージ/容量
AdobeCCを使用するPCのストレージは大容量SSD(+HDD)
ストレージの種類は大きく分けてHDDとSSDの2種類があります。HDDは容量当たりの単価が安い代わりに低速で、SSDは容量単価が高い代わりに高速です。SSDは更に高速なNVMeSSDという種類もあります。
ストレージ速度のベンチマークを確認すると速度差が一目瞭然です。
【NVMeSSD】
【SATA SSD】
【HDD】
ベンチマークの見方は左が読み込み速度・右が書き込み速度で数値が大きいほど高速になります。実際の使用感で体感しやすいのはSSDとHDDを比べた時です。OSやソフトの起動速度が段違いですし、ファイルなどのデータ転送速度も明らかに早いのを実感できます。一度SSD搭載のパソコンになれるとHDDの遅さにイライラするほどです。
クリエイティブ用途としてはSSD+HDD構成やSSD単体構成で外付けストレージにHDDを使う運用がオススメです。OSやソフトそして編集するデータはSSDにいれてサクサク動かしつつ、保管用の大量で大容量のデータはHDDに入れておくスタイルです。
SSDの容量は最低でも500GB理想は1TB以上の大容量モデルを選んでおくと良いでしょう。
CPU
AdobeCCを使用するPCのCPUは「7」以上
AdobeCCの各製品の推奨CPUをチェックしていると
「64 ビットをサポートしている Intel® または AMD プロセッサーSSE 4.2 以降の 2 GHz 以上のプロセッサー」といったようなことが書かれていますが、クリエイティブ向けで販売されているPCの場合、なんでもよいという緩い記載です。
CPUはIntelのCore iシリーズが圧倒的なシェアを占めていましたが、2017年にAMDがRyzenシリーズを発売してからはコスパの良さが評価されintelと人気を二分しています。クリエイター向けのCPUとして2社が発売する最新モデルのどちらかが優れているということはありません。
【CPUのモデルと性能について】
2社ともに製品名にはブランド名(Core i or Ryzen)の後に数字がついており3/5/7/9というラインナップになっています。数字が大きいほど高性能でクリエイティブ向けで使用されるのは7以上になります。
1桁の数字の後ろにつく5桁or4桁の数字が世代や世代内のグレードを表していて千もしくは千と万の位が世代。百の位が同モデル、同世代間の性能差を表しています。例えば「core i7-12700」より「core i7-13700」の方が新しく性能が高くなりますし、「Core i5-12400」と「core i5-12500」は同世代ですが12500の方が若干性能が高くなります。
Photoshop用のPCとして、新しく購入する場合のCPU候補としては
Intelの場合は最新モデルだとi7-14700以上
AMDの場合は最新モデルだとRyzen7 7700X以上
がおすすめのモデルとなります。
【CPUのコア数について】
最近の上位CPUはコア数が増えてきていますが、AdobeCCの多コアでの並列処理技術は年々高まっているものの8コアを超えるコア数ではパフォーマンスはあまり向上しないようです。ですのでi9やRyzen9のフラグシップモデルでAdobeCCを動かしたからと言って価格上昇に見合うだけの快適さ向上はないと思ってください。
【ワークステーションやサーバー用CPUについて】
IntelのCPUにはサーバーやワークステーション用のXeonというCPUがあります。Xeonは コンシューマ向けのCore iシリーズより安定性や対故障性に優れているものの処理速度(クロック数)では劣るためAdobeCCの快適性に対するコスパは劣ります。Xeonの方が価格も高いのであえてAdobeCCを使うPCにXeonCPUを搭載する理由はないでしょう。企業などで性能よりも耐故障性や安定性を重視する場合は候補になります。
メモリ
AdobeCC用PCのメモリは16GBが必須で理想は32GB以上
メモリは作業スペースの広さとイメージしてもらうと分かりやすいでしょう。一般的なパソコンですらメモリ8GBではなく16GBが主流になりました。AdobeCC用のパソコンだと16GB搭載が最低の必須条件といってよいでしょう。(Dreamweaverなど軽いソフトを除く)
PremiereProなど動画編集の場合は32GBがAdobe公式より推奨されていますね。複数のAdobeCCソフトを起動する場合も32GBが強く推奨されます。
メモリはPC初心者でも、最も簡単に増設できるパーツですので、自身が使用しているPCに合うメモリやメモリ増設の仕方をググったりすれば比較的簡単に容量を増やすことが出来ます。メモリだけスペックを満たしていなければご自身での増設も検討してみましょう。
電源とマザーボード
残りはグラボの解説ですが、その前に推奨スペックで記載されることはないけれども、デスクトップPCの構成で見落としがちな「電源」と「マザーボード」に関して簡単に解説しておきます。
電源
電源はPCの各種パーツに電力を供給する重要な役割を担っています。電源には容量と電源効率の二つで性能差があり、基本的にはメーカーがスペックに見合った電源をチョイスしています。容量はW数で記載がありグラボが高性能なモデルほど電源消費量が大きいため電源のW数も大きくなります。
二つ目の電源効率ですが、こちらは「80PLUS」という基準でグレードが分かれています。
左ほど同容量でも価格は上がりますが電源変換効率に優れ電気代が僅かに安くなるといった認識で結構です。80PLUS認証の高さと電源の品質(対故障性・耐久性)は必ずしも一致するわけではありません。電源製品ごとに定められているの保証年数が品質に影響してきますがBTOゲーミングPCでは電源自体の保証年数を簡単には確認できないので知識としてだけ知っておく感じになります。
20万円以下のクリエイティブデスクトップPCには80PLUS BRONZEをメーカーがチョイスしている事が多いですね。RTX4070Ti以上のハイエンドゲーミングPCでは80PLUS GOLD以上が選ばれる事が多いです。
マザーボード
CPUなどの各種パーツを搭載する基盤です。
現行の主流なintelCPUを搭載するデスクトップ向けマザーボードは性能や機能が優れている順にZ790 > H770 > B760 > H710となっており、Z790とH710の平均的な価格差は8千円ほどとなっています。
RTX以上のグラボを搭載する場合はH710やH610マザーボード(チップセット)は不釣り合いなので避けましょう
CPUのOCなど特殊な事をしない限りはZである必要はなく、コスパを重視するゲーミングPCとしてはH770やB760AMDの場合はA520またはB550やB650)で問題ありません。
また、ノートPCに関してですが、ノート用マザボは消費者側から意識する事はないので、気にする必要はありません。電源に関してはノートPCの電力設計によりACアダプタが供給する電力が結構変わります。グラボの欄で解説しますがクリエイティブノートPCはCPUやGPUなど主要スペックが同じでも電力設計次第で性能が大きく変わるので注意です。
グラボ
グラボ(グラフィックボード)はNVIDIA社からゲーム用途(DirectX)に特化したGeforceシリーズとクリエイティブ用途(OpenGL)に特化したNVIDIA RTXシリーズ(旧Quadroシリーズが発売されています。
ゲーム用途に特化したGeforceシリーズはクリエイティブ向けのNVIDIA RTXシリーズと比べてエントリー向けの価格帯はあまり変わりませんがハイスペックになればなるほどGeforceシリーズの方が圧倒的に安くなります。ゲーム向けだからといってAdobeCC用途として役に立たないかというと、そのようなことはなく、グラボなしの時よりも重たい処理を短時間でこなしたり、そもそもグラボがないと使用できない機能もあります。
PCメーカーが2018年にクリエイティブ用途で使用しているPCのスペックを105社に調査した所、約半数がGeforceシリーズを搭載していたことからもGeforceの需要があることを確認出来ました。
AdobeCCシリーズの多くがビデオメモリ(VRAM)4GB以上を推奨しているのでGeforceシリーズのオススメモデルとしてはRTX3050以上(単体価格:約3万円)もしくはNVIDIA RTXシリーズであればNVIDIA RTX A400以上(単体価格:約3万円)が推奨されます。
NVIDIA GeForceシリーズなど専用グラフィックスチップを搭載した高性能なクリエイティブノートPCを購入する際の注意点として、ノートPCは同じCPU同じグラフィックチップ名でもノートのモデルごとに設計電力が異なり性能が大きく違う点に注意が必要です。
専用グラフィックスチップを搭載した高性能なクリエイティブノートPCは大きく分けて2種類に分かれます。「消費電力を抑えて性能を抑える代わりに薄型軽量」か「消費電力を増やして性能を上げる代わりに厚めで重量が重たい」モデルになります。前者は持ちモビリティが売りで、後者は性能が売りになります。
現在使用しているPCのスペックを調べる方法
キーボードの右下(左下)にある「Windowsキー」と「R」キーを同時に押すと
「ファイル名を指定して実行」が表示されます。そこに「dxdiag」と入力してOKを押すと
「DirectX診断ツール」が起動します。最初に表示されている画面で
OS…オペレーティングシステム欄
CPU…プロセッサ欄
メモリ…メモリ欄
で現在のスペックを確認可能です。
グラボは「DirectX診断ツール」の上の方にある「ディスプレイ1」タブをクリックすると確認できます。
AdobeCC推奨パソコン
AdobeCCの推奨スペックや各種パーツの解説を行ってきましたが、一からパソコンを選ぶのは大変ですよね。そんな時は有名メーカーのAdobeCC推奨パソコンを検討してみてはいかがでしょうか。
今回はBTOPCメーカーとして人気の【ドスパラ】と
マウスコンピューターのAdobeCC推奨パソコンを紹介します。2社ともに様々な会社でクリエイティブ向けPCの採用実績があり信頼感があります。2社の違いはドスパラは性能と価格を比べた時にコスパで優れており、マウスコンピュータはブランド力に優れている印象です。併せてLenovoの新ブランドノートも掲載します。
※以下で記載するメーカーのスペックや価格は2024/06/15時点の情報です。
ドスパラ GALLERIA Adobe Creative Cloud 推奨パソコン
サードウェーブ社がドスパラなどで販売しているクリエイティブPCは2024年2月まで個人向け法人向けともに「raytrek(レイトレック)」という名称で長年親しまれてきましたが、2024年3月より個人クリエイター向けは「GALLERIA」、法人向けのPC(クリエイティブ用途だけでなくビジネス全般)は「raytrek」にリブランドされました。
ドスパラの【Adobe Creative Cloud 推奨パソコン】はAdobeCCソフト群が快適に動作するスペックとなっています。
AdobeCC推奨モデルの記載があるPCはカテゴリごとのAdobeCCソフトウェアの動作を確認済みとなっています。
ドスパラのAdobeCC推奨モデルの特徴として
- ハイエンドなi7CPUの採用(ごく一部i5)
- 大容量16GBや32GBメモリの標準搭載
- SSDもゲーム向けモデルや一般モデルと比べて大容量(1TB以上)
- ノートPCは液晶の性能がゲーム向けより高い
- カスタマイズで好みの構成に変更が可能
となっています。
クリエイティブ向けのパソコンは基本的にデスクトップPCを選ぶ事を推奨します。理由は何点かあり、
- ノートPCでデスクトップPCと同等の性能を求めると価格が高くなる傾向にある
- 拡張性がない
- 発熱が大きいグラボを搭載しているので重い処理を行うと冷却ファンの音がうるさくなる。特に高性能なグラボを搭載しつつも薄いノートの場合はより顕著になる
- バッテリーの持ちが良くない
といったデメリットがあるためです。価格面では以前よりは差がなくなっています。
フリーアドレスのオフィスやシェアオフィス・ワーキングスペースなど様々な場所でクリエイティブ業務に取り組む方以外は極力デスクトップPCを選択しましょう。
もちろん自宅や作業スペースにクリエイティブ用デスクトップPCがあり、持ち運び用でノートPCも購入されるなどサブ機としては非常に優秀です。
どうしてもクリエイティブ用で使用するPCは1台しか購入できない。外でもそのPCを使用したいという方はノートPCになると思います。
【クリエイティブ用のノートPCを購入する際の注意点】
上位CPUや専用グラフィックチップを搭載したパワフルな性能のクリエイティブ用ノートPCは通常のノートPCと比べて以下のデメリットがあります。
重量がかなり重い(本体が2Kg前後・ACアダプタも500g程度)・バッテリー持続時間が短い
外出時に頻繁に持ち運ぶ際の労力をしっかり確認しておく必要があります。
既にメインのクリエイティブ向けデスクトップPCを所有しており、外出時のサブ機として使用する場合は【GALLERIA A4-R】 のように内蔵GPUのモデルが軽量でバッテリー持続時間も長くなるのでオススメです。一般用途向けのノートPCに近いイメージで持ち運び可能です。そのかわり専用グラフィックチップを搭載したモデルよりは性能が劣るのであくまで外出用のサブ機になります。
ちなみにモニタとPC本体が一緒になっている一体型のPCは見栄えは良いのですが拡張性がなく、高くて持ち運びもできないので論外です。
以下は、2024年5月に発売された最新クリエイター向けPCを現役クリエイターの方と一緒にGALLERIAのクリエイティブノートPCをレビューした記事リンクです。
マウスコンピュータAdobeCC推奨PC
マウスコンピュータでは、ドスパラと比べてより推奨PCの種類が大幅に少ないですが。より高価格帯のモデルもありました。
世界で最も売れているLenovoの新ブランドLOQ
これまでLenovoはLegionというブランドでゲーミングやクリエイティブ向けの高性能PCを販売してきましたが、2023年5月に新しく【Lenovo LOQ】という新ブランドが登場しました。LOQはLegionと比べてコスパにより力をいれているだけでなく軍用規格であるMIL-STD-810Hの厳しい耐久性基準を満たし、シンプルで実用的なデザインと耐久性を実現しています。
当ブログでも2023年11月に実機レビューを行いましたが非常にパワフルでした。
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