Adobeが提供するクリエイティブ製品群「Adobe Creative Cloud」の推奨スペックや推奨パソコンを紹介します。この記事を読めばAdobe CCが快適に利用できるスペック(CPU,グラボ、メモリ、HDD容量など)やPCが分かります。
記事公開日:2019/08/13
最終更新日:2021/01/21 更新6回目 クリエイターPCのレビュー記事を追加
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目次
- Adobe Creative Cloud 推奨スペック
- AdobeCCの推奨動作環境・パソコンパーツ解説
- 現在使用しているPCのスペックを調べる方法
- AdobeCC推奨パソコン
- 週間人気記事ランキング
Adobe Creative Cloud 推奨スペック
Adobe CCには製品ごとの必要システム構成が公式より公開されています。AdobeCC製品群を複数使用する場合は最も要求の高いスペックに合わせる必要があります。記載するスペックは全てWindows版です。MacOS版は参照元をご確認ください。
推奨スペックの記載がある場合は黄色で表示しています。
Photoshop・Lightroom Classic必要システム構成
情報参照元:https://helpx.adobe.com/jp/photoshop/system-requirements.html、https://helpx.adobe.com/jp/camera-raw/system-requirements.html、https://helpx.adobe.com/jp/lightroom-classic/system-requirements.html
illustrator・Indesigh・Demension必要システム構成
情報参照元:https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/system-requirements.html、https://helpx.adobe.com/jp/indesign/system-requirements.html、https://helpx.adobe.com/jp/dimension/system-requirements.html
Dreamweaver・AdobeXD必要システム構成
情報参照元:https://helpx.adobe.com/jp/dreamweaver/system-requirements.html、https://helpx.adobe.com/jp/xd/system-requirements.html
PremierePro・After Effects必要システム構成
Adobeが公式ページにて公開する【必要なシステム構成】はソフトに必要な最低限の構成であり、快適に動作するスペックではありません。
使用する方の用途や処理内容によって快適に動作するためのスペックは異なってきますが、メモリやグラボなどは一部推奨スペックも公開されているので、推奨スペックやPCメーカーが販売するAdobeCC用パソコンのスペックを参考にされたほうがよいでしょう。AdobeCC用のパソコンについては最後に紹介します。
AdobeCC個別製品の詳しい推奨スペック解説記事
その他の製品は後日追加予定です。
AdobeCCの推奨動作環境・パソコンパーツ解説
次はPCの主要パーツについて詳しく解説していきます。
OS
最新のWindowsはWindows10です。古いバージョンの7や8.1でもOSが64bit版であればプレイすることができます。基本的に現在販売されているWindowsは64bit版ですので、64bitであるかはあまり気にする必要はありません。Windows7は2020年の1月に開発元であるMicrosoftのサポートが終了したため、現在も利用している方は本格的に買い替えの検討を進めた方が良いでしょう。特に仕事で使用している方はサポートが切れたOSを使い続けるのはありえない事なので早急に買い替えを進めましょう。
ストレージ/容量
ストレージの種類は大きく分けてHDDとSSDの2種類があります。HDDは容量当たりの単価が安い代わりに低速で、SSDは容量単価が高い代わりに高速です。SSDは更に高速なNVMeSSDという種類もあります。
ストレージ速度のベンチマークを確認すると速度差が一目瞭然です。
【NVMeSSD】
【SSD】
【HDD】
ベンチマークの見方は左が読み込み速度・右が書き込み速度で数値が大きいほど高速になります。実際の使用感で体感しやすいのはSSDとHDDを比べた時です。OSやソフトの起動速度が段違いですし、ファイルなどのデータ転送速度も明らかに早いのを実感できます。一度SSD搭載のパソコンになれるとHDDの遅さにイライラするほどです。
クリエイティブ用途としてはSSD+HDD構成やSSD単体構成で外付けストレージにHDDを使う運用がオススメです。OSやソフトそして編集するデータはSSDにいれてサクサク動かしつつ、保管用の大量で大容量のデータはHDDに入れておくスタイルです。
SSDの容量は500GB以上の大容量モデルを選んでおくと良いでしょう。
CPU
CPUはIntelのCore iシリーズが圧倒的なシェアを占めていましたが、2017年にAMDがRyzenシリーズを発売してからはコスパの良さが評価されintelと人気を二分しています。クリエイター向けのCPUとして2社が発売する最新モデルのどちらかが優れているということはありません。
【CPUのモデルと性能について】
2社ともに製品名にはブランド名(Core i or Ryzen)の後に数字がついており3/5/7/9というラインナップになっています。数字が大きいほど高性能でクリエイティブ向けで使用されるのは7以上になります。
1桁の数字の後ろにつく四桁の数字が世代や世代内のグレードを表していて千の位が世代。百の位が同モデル、同世代間の性能差を表しています。例えば「core i7-8700」より「core i7-9700」の方が新しく性能が高くなりますし、「Core i5-8400」と「core i5-8500」は同世代ですが8500の方が若干性能が高くなります。
AdobeCC用のPCとして、新しく購入する場合のCPU候補としては
Intelの場合はi7-10700番台以上
AMDの場合はRyzen 7 3700以上がおすすめのモデルとなります。
メモリ
メモリは作業スペースの広さとイメージしてもらうと分かりやすいでしょう。一般的なパソコンではメモリ8GBが主流ですがAdobeCC用のパソコンだと極力16GB搭載するのをオススメします。Premiereなど動画編集の場合は32GBがAdobe公式より推奨されていますね。
メモリはPC初心者でも、最も簡単に増設できるパーツですので、自身が使用しているPCに合うメモリやメモリ増設の仕方をググったりすれば比較的簡単に容量を増やすことが出来ます。メモリだけスペックを満たしていなければご自身での増設も検討してみましょう。
電源とマザーボード
残りはグラボの解説ですが、その前に推奨スペックで記載されることはないけれども、デスクトップPCの構成で見落としがちな「電源」と「マザーボード」に関して簡単に解説しておきます。
電源
PCの各種パーツに電力を供給する重要な役割を担っています。電源には容量と電源効率の二つで性能差があり、基本的にはメーカーがスペックに見合った電源をチョイスしています。容量はW数で記載がありグラボが高性能なモデルほど電源消費量が大きいため電源のW数も大きくなります。
二つ目の電源効率ですが、こちらは「80PLUS」という基準でグレードが分かれています。
左ほど同容量でも価格は上がりますが電源変換効率に優れ電気代が僅かに安くなるといった認識で結構です。但しグレードが高いほど高品質になるので、コスパより信頼性を重視する方はチェックしておきましょう。
クリエイティブ向けPCには80PLUS BRONZE以上をメーカーがチョイスしている事が多いですね。
マザーボード
CPUなどの各種パーツを搭載する基盤です。
現行の主流なマザーボードは性能や機能が優れている順にZ470 > H470 > B460 > H410となっており、Z470とH410の平均的な価格差は6千円ほどとなっています。
避けてほしいマザーボード(チップセット)は「H410」です。最新のi7CPUを積むクリエイティブ向けPCには不釣り合いなためです。
CPUのOCなど特殊な事をしない限りはZ470である必要はなく、コスパを重視するクリエイティブ向けPCとしてはH470やB460(AMD CPUの場合はB550やB450)で問題ありません。
グラボ
グラボ(グラフィックボード)はNVIDIA社からゲーム用途(DirectX)に特化したGeforceシリーズとクリエイティブ用途(OpenGL)に特化したQuadroシリーズが発売されています。
ゲーム用途に特化したGeforceシリーズはクリエイティブ向けのQuadroシリーズよりも同程度のスペックだと圧倒的に安くなります。ゲーム向けだからといってAdobeCC用途として役に立たないかというと、そのようなことはなくグラボなしの時よりも重たい処理を短時間でこなすことが出来るようになります。
PCメーカーが2018年にクリエイティブ用途で使用しているPCのスペックを105社に調査した所、約半数がGeforceシリーズを搭載していたことからもGeforceの需要があることを確認出来ました。
AdobeCCシリーズの多くがビデオメモリ(VRAM)4GB以上を推奨しているのでGeforceシリーズであればGTX1650以上(単体価格:約16,000円)もしくはQuadroシリーズであればP1000以上(単体価格:約45,000円)が推奨されます。
Quadroシリーズで価格を抑えたい場合はビデオメモリが2GBのQuadro P620(単体価格:約23,000円)がエントリー向けの価格帯で人気ですね。
現在使用しているPCのスペックを調べる方法
キーボードの右下(左下)にある「Windowsキー」と「R」キーを同時に押すと
「ファイル名を指定して実行」が表示されます。そこに「dxdiag」と入力してOKを押すと
「DirectX診断ツール」が起動します。最初に表示されている画面で
OS…オペレーティングシステム欄
CPU…プロセッサ欄
メモリ…メモリ欄
で現在のスペックを確認可能です。
グラボは「DirectX診断ツール」の上の方にある「ディスプレイ1」タブをクリックすると確認できます。
AdobeCC推奨パソコン
AdobeCCの推奨スペックや各種パーツの解説を行ってきましたが、一からパソコンを選ぶのは大変ですよね。そんな時は有名メーカーのAdobeCC推奨パソコンを検討してみてはいかがでしょうか。
今回はBTOPCメーカーとして人気の【ドスパラ】 と
マウスコンピューターのAdobeCC推奨パソコンを紹介します。2社ともに様々な会社でクリエイティブ向けPCの採用実績があり信頼感があります。2社の違いはドスパラは性能と価格を比べた時にコスパで優れており、マウスコンピュータはブランド力に優れている印象です。
※以下で記載するメーカーのスペックや価格は2021/01/22時点の情報です。
ドスパラ Photoshop・Lightroom推奨PC
ドスパラではAdobeCC製品の用途別に推奨スペックをピックアップしていました。
AdobeCC推奨モデルの記載があるPCは全てのAdobeCCソフトウェアの動作を確認済みとなっています。AdobeCC推奨モデルの特徴として
- ハイエンドなi7以上CPUの採用
- 大容量16GBまたは32GBメモリの搭載
- SSDもゲーム向けモデルや一般モデルと比べて大容量な傾向
- グラフィックボードも搭載
となっています。
マウスコンピュータAdobeCC推奨PC
マウスコンピュータでは、ドスパラと比べてより高性能・高価格帯のモデルもオススメされていました。
2機種ともにQuadroのハイエンドRTXグラボを搭載し、i7より更に高性能なi9CPUを採用。メモリが64GBのモデルもありました。4Kモニタを使用した動画編集用のプロフェッショナル環境にもマッチしたスペックに仕上がっています。
クリエイティブ向けのパソコンは基本的にデスクトップPCを選ぶ事を推奨します。理由は何点かあり、
- ノートPCでデスクトップPCと同等の性能を求めると2割以上価格が高くなる
- 拡張性がない
- 発熱が大きいグラボを搭載しているので重い処理を行うと冷却ファンの音がうるさくなる。特に高性能なグラボを搭載しつつも薄いノートの場合はより顕著になる
といったデメリットがあるためです。フリーアドレスのオフィスやシェアオフィス・ワーキングスペースなど様々な場所でクリエイティブ業務に取り組む方以外は極力デスクトップPCを選択しましょう。ちなみに一体型のPCは拡張性がなく、高くて持ち運びもできないので論外です。
2社とも、今回紹介した製品以外にも様々なクリエイティブ向けのPCを販売しているので、気になる方はチェックしてみましょう。
ドスパラ
マウスコンピューター
上記メーカーのクリエイター向けPCを現役クリエイターの方に触ってもらったレビュー記事です。
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