2019年12月17日からNVIDIAのクラウドゲーミングサービス「GeForceNOW」のプレイが順次可能になります。この記事ではGeForceNOWだと遅延やラグが発生し遅くてゲーム体験を損ねてしまう件について記載します。
記事公開日:2019/12/15 作成
最終更新日:2020/04/15 更新5回目 夜間のラグについて追記
アイキャッチ画像利用元:ぱくたそ
目次
- GeForceNOWとは
- GeForceNOWが遅いことは公式でも認めている
- GeForceNOW2次CBTで遊んでみた
- GeForceNOWはPCゲームの体験向け
- 日本での正式サービス価格が決定
- オススメゲーミングPCメーカー
- 2021年の最新PCパーツ情報を踏まえた分析記事
- 週間人気記事ランキング
GeForceNOWとは
PCのグラボで有名なNVIDIAが提供するクラウドゲームサービスです。日本ではサービスを行っていませんでしたが、ソフトバンクが日本の総代理店のような立ち位置になって2019年12月中旬以降、順次クローズベータテストが行われることになりました。
クラウドゲームサービスなので、遊ぶPC上でゲームの処理は行わず、NVIDIA(ソフトバンク)のデーターセンターでゲーム処理が行われ、その画面だけがプレイするPCにネット回線経由で送られてきます。そのため回線速度さえ高速で安定していれば、ゲーム用途ではないスペックの低いPCでもPCゲームが楽しめるという仕組みです。
ネットの回線速度に不満を感じている方は以下の記事が参考になります。
私が現在使っている光回線はGMOとくとくBBのドコモ光 です。仕事・ゲーム・WIFI・ゲーム実況配信・リアルタイムクラウド共有など鬼のように通信しています。
その通信量なんと1か月で3,900GB!!!それでも帯域制限がかからず爆速です。
GeForceNOWが遅いことは公式でも認めている
話をGeForceNOWに戻して、4亀のインタビューでGeForceNOW公式であるソフトバンクの方が「普段,ゲーム用のPCでプレイされている方から見ると,及ばない面がある」と認めています。
ソース:https://www.4gamer.net/games/209/G020984/20191019005/
「画質が一定時間低下したり(する)場面もあった」
「やはりノイズが発生したり,散発的に解像度が落ちたりする場面はあった」
ソース:https://www.4gamer.net/games/209/G020984/20191218071/
4GamerはGeForce Nowから報酬をもらって記事を書いているのですが、それでもこういった不満要素が書かれているのでフラットな1ユーザーの目線でレポを書くともっと酷いことになりそうです。
他にはファミ通でGeForceNOWの体験会に参加した記事が書かれれていましたが、
「瞬間的に映像がカクついたのを感じたりはたまにする」
「ストリーミング映像越しのプレイであることを思い出す」
「回線が不安定になってビットレートが低下して画面表示が乱れる」
ソース:https://www.famitsu.com/news/201911/27187829.html
と書かれていました。
体験会では光回線が引かれているけど、同時に10人以上がプレイしているから遅いと回線のせいにしていたので、これが本当だとすると、1本の光回線を共有するマンションタイプの光回線は住民の通信料が増える夜などはまともにプレイできない可能性もありますね。
GeForceNOW2次CBTで遊んでみた
GeForceNOWの2次CBTに当選していたので、実際にGeForceNOWで遊んでみました。
PCゲームが元から快適に遊べる環境でのプレイ
まず最初にほぼ全ての最新PCゲームの推奨スペックを満たしているゲーミング環境でGeForceNOWを遊んでみます。
使用したPCはRyzen7 1800X・GTX1070Ti・メモリ16GB・ SATA-SSDです。2017年に3年保証込みで25万円ほどで購入したPCですね。
ネット回線もPCゲームに支障がない品質の高い回線を契約していてGMOとくとくBBのドコモ光 の回線を使っています。
【回線スピードテスト】
IPv6の通信速度としては十分な数値ですね。マンションに住んでいますが、月額料金が1000円ほど高い「戸建てタイプ」の契約をしています。「マンション(集合住宅)タイプ」はマンションに住んでいるユーザーで回線を共有するのでネット利用者が増える夜間や休日などは通信速度が遅くなったり不安定になる可能性があるためです。
上記のように比較的恵まれているネット回線にもかかわらずGeForceNOWでネットワークテストを行うと
1280x720という非常に荒い解像度を推奨されました。もう5年以上前からゲーミングPC用の解像度は最低ラインがフルHD(1920x1080)なので、ここはガッカリですね。
ストリーミング品質は設定で変更できるので
PCゲームプレイの最低ラインである1920x1080の60FPSに設定してFortniteを遊んでみました。数プレイゲームをした感想はGeForceNOWはPC上で直接描画されず映像が送られてくるストリーミング配信なので他人のゲームプレイをネットで見ているような違和感が若干ありましたが回線が高速で安定しているからか大きな映像の乱れもなく耐えられる範囲でした。
ゲームに適さない環境でのプレイ
次は比較としてGeForceNOWの特徴である「場所やデバイスに関係なくPCゲームが遊べる」を体験するために本来PCゲームが遊べない環境でGeForceNOWを遊んでみます。
【使用したPC】
2012年に購入したノートPC スペックはi3-2330M・GT540M・メモリ8GB・SATA-SSDを使用します。VAIOなので当時20万円近くした記憶がありますね。2017年まで仕事で使用していました。このPCのスペックとしては購入当時であれば軽いPCゲームは遊べるスペックでしたが、2020年現在だと軽い部類の対戦ゲームで人気のFortniteやDead by DaylightそしてRainbow Six Sieageなどもかなり厳しいスペックですね。
【ネット回線】
使用するネット回線は賃貸物件の家賃に込みで最初からついている低速回線です。
この回線は不安定すぎるので普段は全く使っていません。2回ほど通信速度を測定したときはPINGが安定していましたが時間帯や通信量によって大きく速度やPINGが上下する低品質な回線です。
案の定、GeForceNOWのネットワークテストでも快適に遊べない警告が出てしまいました。
低スぺPC&低品質回線で同じくFortniteをプレイしてみました。
上の写真だと違和感がないかもしれませんが、ゲーム内の画質設定は最高設定にもかかわらずゲーム画面全体がぼやけてストリーミング配信で画像が送られてきている事を実感できてしまいます。高速回線を使用しているときより全体のぼやけ具合がかなりひどくなっていました。その代わり低スぺで本来Fortniteがまともに遊べないスペックなのにある程度安定して60FPS近く出ていたのはすごい仕組みだなと正直驚きましたね!
ためしにGeForceNOW経由ではなく、この低スぺPCで直接Fortniteを起動してみましたが、同じフルHD解像度だとゲーム内設定を最低にしても30FPSが維持できなかったので本来遊べないPCでもPCゲーム体験(ぼやーっとした画質にはなるが)が可能な点は今までは無かったクラウドゲームという新しいプレイスタイルのメリットだと実感できました。
GeForceNOWの利用者が増える夜間にプレイしてみると
PCと回線は一番最初にテストを行ったRyzen7 1800X・GTX1070Ti・メモリ16GBとIPv6の高速回線を使用してGeForceNOWの利用者が増える夜間に再度Fortniteをプレイしてみました。プレイ日は2020/04/14(火)の23時です。
前回のテストではストリーミング再生のため全体的にぼやーっとしている画面ではあるもののラグ等は一切感じなかったのですが人が多い夜間に接続してみるとラグが人すぎてカクカク&画面の読み込みも追いついておらずGeForceNOWのサーバーと回線にとても負荷がかかっている状態でした。正式サービス前の無料期間中なので回線やサーバーのコストをケチって利用人数に対して適切なスペックになっていないようです。
正式サービス時の夜間ゴールデンタイム時にどれくらい改善されているのか多少不安ですね。
GeForceNOWはPCゲームの体験向け
以上のようにGeForceNOWはIPv6など高速で安定した回線であれば、これまではPCゲームがまともに遊べなかった古い低スペックPCでも本来のゲーム画面とは異なるぼやけた画面かつ人の多い夜間や休日は性能が低下するという条件付きではあるもののGeForceNOWに対応したPCゲームであれば遊べるのがGeForceNOWの特徴です。
お試しで無料ゲームを遊んでみる分には良さそうですね。PCゲーム本来のシャープなゲーム画面で遊びたい場合や、PS4やSwitchで遊んでいるけど画面の綺麗さや高FPSを求めてPCでのプレイを検討している方には目的が異なるのでGeForceNOWは不向きです。また、プロを目指していたりやレートやランキングで上位になりたい場合は遅延やラグそして不定期で訪れる画面の乱れは致命的なので、ゲーミングPCを購入しましょう。
日本での正式サービス価格が決定
2020年6月より正式サービスが開始されることになり、クローズベータ参加者はそれまでの間無料のプレサービスに参加可能です。
気になる月額料金ですが1800円と発表されました。本場アメリカでの月額料金が500円なのを考えると非常に強気な価格設定ですね…。1年間で21,600円なのでGTX1650SUPERが買えてしまう値段です。
利用用途としてはゲーミングPC購入までのつなぎであったり、外出時にグラボ非搭載の薄型軽量ノートPCでも対応したPCゲームが遊べるのでそのような使い方が考えられますね。
強気の月額料金にビックリしていましたが、 5月下旬までの事前登録で6月の正式サービス開始から7月末まで利用料無料+半年間月額料金が半額の900円になるようです。これなら例えば年末のボーナスやクリスマスプレゼントそして年明けのお年玉でゲーミングPCを購入するまでの繋ぎとしてGeForceNOWを使うのはありですね。
オススメゲーミングPCメーカー
最近の3DオンラインゲームはCPUにi5かi7。グラボはGTX1060が一般的でGTX1070やGTX1660を推奨動作環境に指定してくるタイトルも増えてきました。ゲーミングPCの買い直しや新規購入を検討されている方は、こちらのメーカーがオススメですよ。
ドスパラ
コスパNo.1メーカー。5社で似たようなスペックを比較すると大抵ドスパラの機種がコスパNo.1になります。
パソコン工房
ときおりドスパラよりもお買い得なモデルがあるPC工房。ノートPCのコスパが良い傾向にあります。
フロンティア
セール品のお買い得度が高い。通常製品を選ぶ価値はあまりないかも。「○○ゲーム推奨PC」といった製品が多いがそのゲームのおまけがついてきたり、そのゲームが快適に遊べますよという事なので、お買い得な製品があれば、そのゲームを遊ぶ予定がなくても購入して問題ないです。
サイコム
徹底的にカスタマイズにこだわりたい方や、マザボや電源など各種パーツの製品名まで指定したい方などPC製品の知識がある方向けです。
ドスパラ以外のメーカーを比較したい場合
スペックに対する価格を重視するとドスパラの製品が優秀なので、オススメPCとしてはドスパラのゲーミングPCを中心に紹介してきました。他のメーカーも気になる方は、こちらの比較記事をご覧ください。
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