日本の仮想通貨取引所を各項目で比較してみました。ビットコインに興味があって購入やデイトレに挑戦してみたい方必見です。今回は日本の取引所の大手3社「bitflyer(ビットフライヤー)」「coincheck(コインチェック)」「zaif(ザイフ)」に加え、FX業界から参入してきた「GMOコイン」「DMM Bitcoin」を徹底比較していきます。
2017/05/16 作成
これまでの更新:6回
2018/12/29 最新情報へ更新
2018/10/30よりCoincheck新規口座開設再開
目次
- 目次
- 仮想通貨取引所比較の概要
- 現在の口座開設可否
- 取引規模
- 資本金
- セキュリティ対策
- 補償サービス
- アプリランキング
- チャットボリューム(人口調査)
- レバレッジ倍率
- 先物取引の有無
- 取引所の有無
- 取引手数料やスワップ手数料について
- スプレッドについて
- トレード画面の比較
- ビットコイン以外の仮想通貨取り扱い状況
- サーバー安定性
- 個人的な総合評価
- GMOコインまとめ記事
- 仮想通貨関連記事
- 週間人気記事ランキング
仮想通貨取引所比較の概要
国内にはビットコインを初めとした仮想通貨の大手取引所がいくつかあり、2017年春までは「Bitflyer」「CoinCheck」「Zaif」の3取引所が有名で、この中のいずれか、または複数を利用している方がほとんどでした。
2017年からは主にFXや金融系の業種から参入が相次ぎました。大型案件としては2017年05月に【GMOコイン】 もスタートし当初話題になったもののユーザーに不利な仕組みだったので、低評価でしたがルール改正やアップデートにより2017年秋には神売買所となり大賑わいでした。もう一つの大型案件としてSBIも2017年春ごろから参入が噂されながらも、年内のサービス開始には至らず2017年12月に先行申し込みのみ行われました。
2018年に入り、1月にはFX大手で幅広い業種に事業を展開するDMMが仮想通貨販売所DMM Bitcoin をリリース。そして1月26日にはCoincheckのNEM事件により新規口座開設等が一時停止(追記:2018/10/30よりCoincheck新規口座開設再開)。一時期はサービス終了の可能性もありましたが、マネックスグループに買収されることになったので内部の体制と金融庁からの審査が通れば新規口座開設も再開するでしょう。去年よりサービススタートが延び延びになっていたSBIバーチャルカレンシーズは初夏にサービス開始を行いましたが販売所形式のみでスプレッドも広く全く需要のない業者となり肩透かしでした。
このページでは老舗業者の【bitFlyer・coincheck・Zaif】及びFXからの新規参入業者である【GMOコイン・DMM Bitcoin】の合わせて5社を徹底比較していきます。
※収集した情報は2018年12月29日時点の情報となります。
現在の口座開設可否
2018年2月のNEM事件より各取引所への金融庁監査が厳しくなり、一時的に新規口座開設が制限されている取引所が多くなっています。
【2018年12月29日時点での新規口座開設可否】
「Bitflyer」…×
「CoinCheck」…〇
「Zaif」…×
「GMOコイン」 …〇
「DMM Bitcoin 」…〇
取引規模
まずは、取引に直接関係する項目の前に取引所の大枠情報を確認していきます。最初はビットコインの取引規模から比較してみましょう。
1日のビットコインの取引量です。ビットフライヤーが圧倒的で世界でも2位の取引量を誇っています。世界を代表する取引所と言っても過言ではないでしょう。コインチェックは2018年1月のNEM事件までbitFlyerとZaifの中間あたりにいましたが現在はFXの売買が制限されていることもありZaifより取引高が低くなっています。
GMOコインとDMM Bitcoinは外部に情報を公開していないため取引高が不明です。
資本金
情報参考元:http://corporate.coincheck.com/ https://bitflyer.jp/ja/company https://corp.zaif.jp/outline/ https://bitcoin.dmm.com/overview/corporation https://coin.z.com/jp/corp/about/company/
会社の規模を調査するために、それぞれの運営会社の資本金を調べてみました。ビットフライヤーが圧倒的ですね。取引規模も世界2位ですし、それに見合った規模の会社なのでしょう。コインチェックの資本金はベンチャー企業クラスで従業員数も少なく規模は小さいようです。しかしNEM事件で発生した500億円近い補填金を負担できたわけですからかなり儲かっていたのでしょう。新規参入してきたFX大手のGMOとDMMは母体の企業が大きく資本金も多く準備して会社を設立したようです。
セキュリティ対策
ビットコインの購入やデイトレを各取引所で行うにあたり、相応の金額を取引所に預けることになります。取引所が安心・安全でなければ不安が生まれますし、大金を預けるのに躊躇してしまいますよね。この項目では各取引所がどういったセキュリティ対策を行っているかを調査しました。bitFlyerが損保に加入していることがニュースとして公表されていました。
ビットコイン取引所へのサイバー攻撃に備える保険をbitFlyerと三井住友海上火災保険が開発 | TechCrunch Japan
但し規約等を確認すると必ずしも全額が保証されるわけではないようです。(円ではなく、仮想通貨で出金された場合はどの取引所も補償を約束していない)パスワードの管理や二段階認証の徹底など自己防衛も必要です。
既に話題に触れましたが2018年の1月末にCoincheckで国内では2番目に被害額のデカいハッキング事件が起こりました。(1番は有名なGOX事件です)その後Zaifでも不正な価格での取引が行われるなど世界的に仮想通貨取引所のハッキング事件は発生しています。国内の既存大手でハッキング関連の事件を起こしていないのはbitFLyerです。セキュリティを重視する方はbitFLyerがいいのかもしれませんね。
金融庁からの業務差し止め命令
2018年1月のCoincheck事件後、金融庁も本腰を入れて監査を行っています。
ITmediaよりニュースを引用
"金融庁は3月8日、顧客の資金管理やセキュリティ体制などが不十分な仮想通貨交換事業者7社に対して、一斉に行政処分すると発表した。ビットステーション(名古屋市)とFSHO(横浜市)には1カ月間の業務停止命令を出した
ビットステーションは「100%株主だった経営企画部長が、利用者から預かったビットコインを私的に流用していた」などと指摘。FSHOは「高額の仮想通貨の売買の際に、取引時の確認や、疑わしい取引の届出の要否の判断を行っていない」などを問題視
それぞれ、仮想通貨交換に関わる全業務を4月7日まで停止するよう命じた。"
引用元:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1803/08/news077.html
2016年~2017年に乱立した仮想通貨業者は今回の事件をきっかけに金融庁の引き締めに合うことで淘汰されてきています。
仮想通貨取引所を廃業する企業も出てきており、ユーザーにとって健全で安心できる企業だけになることが期待されます。
各社のセキュリティ情報ページ
補償サービス
bitflyerとcoincheckでは2段階認証を不正ログインで損失が発生した場合に条件付きで損失の一部を補償してくれるサービスを2017年の夏前あたりからスタートしました。
但し、取引所が保険に加入し対応を事前に明記しているのは不正アクセスされて円で出金された場合のみです。普通ハッカーは円ではなくビットコインなど身元が特定されにくい仮想通貨で不正出金しますので、この補償はあってないようなものです。参考程度にとどめて下さい。
Zaifは補償サービスを明言していませんでしたが、2018年に利用者の仮想通貨が流出した事件の後、今回の被害者に対して全額補償を行う通知を出しました。
アプリランキング
調査日:2018/04/11
外出先でのチャート確認やトレードにかかせないのが各取引所(販売所)が提供しているアプリです。半年前に測定した時はCoincheckが圧倒的な人気でしたが現在はDMM Bitcoinのアプリが人気のようです。ZaifとGMOコインのアプリは使い勝手の評判が良くないようで低評価です。GMOコインのアプリは日々使っていますが私は不満はありません。
チャットボリューム(人口調査)
調査日時:2018/04/12 21時
取引所でどれくらいの人がアクティブに活動しているのかを調査するための指標としてチャットの盛り上がり具合を調べました。チャットは基本的にどうでもいい内容ばかりですが、たまに有益な情報を収集できるのでデイトレの合間に覗いています。取引所に貼られるURLはフィッシングサイトやウイルスが仕込まれている可能性があるので開かないようにしましょう。
Coincheckは利用者が減ってしまったのかなと思っていましたが、依然と変わらわない盛り上がりでした。前回調査の約1年前と比較するとbitFlyerは5倍、Zaifは10倍のチャットボリュームとなっています。ここ1年で仮想通貨取引を始めた人が急激に増えたことが読み取れます。
GMOコインとDMM Bitcoinはチャット機能がありません。
レバレッジ倍率
ここからは実際の取引に関連する項目を比較していきます。まずは、ビットコインのFX倍率です。
bitflyerが最も倍率が高くなっています。2017年秋から2018年春前までGMOコインは最大25倍のレバレッジが可能でしたが2018年春に5倍に戻り現在は10倍まで可能です。
日本の為替FX業者のレバレッジが2018年の上限で25倍なのでビットコインの取引レバレッジは比較的控えめな設定となっています。しかしビットコインはドル/円の10倍以上(日によっては30倍以上動きます)の値動きがあるため、15倍のレバレッジをかけて全力で買い又は売りを行うと簡単に強制ロスカットされるリスクがあるため、レバレッジが高い取引所が良いというわけでもありません。
仮想通貨取引所の業界団体は自主規制案として最大レバレッジを4倍までとする取り決めがあったので、今後は各社4倍までに変更されていくでしょう。
また、bitflyerのみ現物(レバレッジなし)とFX(レバレッジあり)の板が分かれており値動きが違います。こちらは完全に好みですので現物とFXの板が分かれていて欲しい方はビットフライヤーを選ぶと良いでしょう。
CoincheckのみFX以外にも、信用取引で取引所に入金した額の最大5倍までビットコインを借りるサービスがあります。(2017年05月でサービス終了)
先物取引の有無
bitFLyerのみ先物取引が可能です。bitFlyerとzaifが2017年に先物取引サービスをスタートしましたが、Zaifは2018年の2月に先物取引を終了しました。取引量が現物やFXと比べて非常に低くなっており値動きの予測が更に難しいため初心者の方向けではありません。あまり気にしなくてよいでしょう。
取引所の有無
国内の仮想通貨業者は二つの形式で仮想通貨売買の場を提供しています。
取引所と販売所にどのような違いがあるかというと
【取引所】
ユーザー間の売買となる。手数料はごく僅かかもしくはない場合も。慣れるまで操作がやや複雑。業者側のシステム負荷が大きいため状況によっては非常に重たくなって注文が通りにくくなるデメリットがある。
【販売所】…業者とユーザー間の売買。手数料が高い(スプレッドを取られる)。初心者でも簡単に売買可能
このような違いがあります。一般的に取引所形式の方が手数料が圧倒的に少ないため利用者に有利となります。但し相場の急変時などアクセス過多になると取引所は重くなって注文が通りにくくなる欠点があります。
GMOコインとDMM Bitcoinは販売所しか提供していませんでしたが、2018年09月上旬よりGMOコインが板取引所をスタートさせました。また、bitFlyerなど取引所機能がある業者でも全ての通貨で取引所が使えるわけではありません。
例えばbitFlyerではETCなど複数のオルトコインが販売所でしか売買できませんし、Coincheckも取引所で売買できるのはビットコインのみです。
取引手数料やスワップ手数料について
次は手数料について比較していきましょう。
取引手数料は、各社で異なります。ここでいう取引手数料とは取引所を利用したときの手数料です。DMM Bitcoinは取引所機能がないため販売所の情報を記載しています。Zaifは2018年夏までマイナス手数料が発生し取引すればするほど手数料が貰える仕組みでしたが、現在はなくなりました。
スワップとはFX取引を行った際に取られる手数料の事です。発生タイミングが業者によって異なります。利用者にとって有利なのは決められた時間のポジションに対してスワップが発生する業者です。(その時間にポジションを持っていなければ何回売買してもスワップ手数料がとられないため。)
スプレッドについて
為替(ドル/円など)FXでは販売所形式で運営されており、スプレッド(実際の価格と取引価格の差)を利用する業者に抜かれます。その分トレーダーの利益が減るわけですが、仮想通貨を取引所形式(bitFLyer,coincheck,Zaifで利用可能)で取引する場合は業者に抜かれるスプレッドは発生しません。あくまで取引手数料の項目で記載した手数料と、FXならばスワップ金利だけです。
bitFlyerなどの取引所形式を提供している業者でも販売所ではスプレッドを取られます。
トレード画面の比較
【bitFlyer】
【coincheck】
【Zaif】
一番見た目が洗練されているのはビットフライヤーでしょうか、その分PCにかかる負荷も高くなっていますし、板が若干見づらいです。コインチェックはシンプルで全体的に見やすい構成になっています。しかしボリンジャーバンドをはじめとした指標系の情報が一切ないのが欠点ですね。ザイフもシンプルで板や取引履歴のスペースが多いのが良い点ですが、チャートの細かな動きが他の2取引所より見づらくなっています。
【GMOコイン】
【DMM Bitcoin】
GMOコインとDMM Bitcoinは販売所形式のみなので下の図のような注文板が存在しません。
GMOコインは非常にシンプルな画面で分かりやすく、DMM Bitcoinはカスタマイズ性に優れている特徴があります。
ビットコイン以外の仮想通貨取り扱い状況
ビットコイン以外のオルトコインと呼ばれるその他の仮想通貨の取り扱い種類はダントツでコインチェックが種類豊富だったのですが、2017年夏以降に各社がオルトコインの取り扱いを増やしてきました。
【各社の特徴】
bitFlyer…王道
Coincheck…他社が取り扱っていない匿名系通貨を多く採用
Zaif…CounterParty製のトークン通貨を多く採用 Zaifの運営会社テックビューロがICOしたCOMSAの取引が可能
GMOコイン…王道 オルトコインもレバレッジ5倍のFX取引が可能
DMMBitcoin…王道 オルトコインもレバレッジ4倍のFX取引が可能
サーバー安定性
これはどの業者も現状課題を残しています。ビットフライヤーは世界2位の取引量があるせいか取引板が数分~数十分停止する事がたまにあります。コインチェックは完全な停止こそほとんどせず、若干トレード画面が重くなる事がある程度でしたが、2017年のGW明けに膨大な資金がコインチェックに集まりサーバーがパンクして数時間全機能が停止しロールバックが発生しました。zaifは普段あまり使用していないため実体験がないのですが、コインチェックと同じようにサーバー機能が停止しロールバックが発生した過去があるようです。GMOコインは金融庁から安定した取引環境を整えるよう指摘されていますし各社改善を行っている最中です。
個人的な総合評価
2017年夏までは「coincheck」推しでした。NEM事件があり現在は新規口座開設を停止しています。マネックスグループの買収が決まりましたし経営体制が整って内部セキュリティ対策にも目途がついたようで2018/10/30より新規口座開設が再開されました。2017年から2018年1月まではかなりの影響力をもっていた業者だけに、2018年から仮想通貨取引を始めて、まだ口座開設されていない方は開設しておくと今後の動きに対応しやすくなるでしょう。
2017年秋から12月上旬くらいまでは「GMOコイン」が非常に優良でした。あまりに利用者が儲けすぎて色々と調整されて現在はシンプルな画面が売りの販売所となっています。初心者の方でも始めやすい販売所です。2018年09月から板取引所とオルトコインFXがスタートしたので、まだ口座開設されていない方は口座開設だけでもしておいたほうがよいでしょう。
2018年も変わらず鉄板なのは「bitFlyer」です。長期目線にしろ短期のデイトレにしろ投資となると、まとまったお金を業者に入金する必要があるので、世界2位の取引量であったり、知名度や保険の有無など総合的な会社の信用度を考えると第一候補といえます。金融庁からの指摘が入っていない優等生(ついにbitFlyerにも指摘が入り現在は新規口座開設がSTOPしています。)
また、bitFlyerはFXのスワップ金利が24時をまたがないと発生しないのでスキャルピングと呼ばれる1日に数十回以上の高頻度取引を行う方向きともいえます。
「Zaif」はXEM(ネム)やMONA(モナ)と呼ばれる仮想通貨のファンが集まっているのでこの二つの通貨が好きな方はZaifにも登録してよいかもしれません。ログインボーナスやビットコインの毎月積み立てなどが出来る特徴もあります。
「 DMM Bitcoin 」はオルトコインのFXが出来るのが特徴です。アプリのDL数も急激に伸びていますし新規口座開設者が増えているようです。国内唯一のオルトコインFXが可能な業者でしたが、GMOコインがオルトコインFXをスタートさせたので優位性は若干薄れました。GMOと比較したときにスプレッド手数料が開きにくいメリットはまだ健在です。
既にどこかの取引所にアカウントを作成し取引を行っていたとしても複数の取引所に資金を分散しておけばメインで利用している取引所にトラブルが起こってもリスク回避が可能ですので、複数の取引所へのアカウント作成を推奨します。
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